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岡山地方裁判所 昭和36年(わ)23号 判決 1967年6月13日

主文

被告人三宅邦男を懲役四月に

被告人鳥井徳治を

別表一および六の罪につき各罰金二万円に、同表の二ないし五、七ないし一〇および一三、一五の罪につき各罰金一三、〇〇〇円に、同表一一、一四、一六、一七および二〇、二一、二二の罪につき各罰金一万円に、同表の一二、一八、一九および二三の二三の罪につき各罰金七、〇〇〇円にそれぞれ処する。

被告人三宅邦男に対し本裁判確定の日より三年間右刑の執行を猶予する。

被告人鳥井徳治において右罰金を完納することができないときは金五〇〇円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は被告人らの平等負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人鳥井徳治は当時鳥井興業部名義をもつて、倉敷市阿知町四六二番地において、入場税法一条掲記の第一種第一号の興行場である常設映画館倉敷日活劇場を経営していたもの、被告人三宅邦男は当時右鳥井に雇用され、昭和三一年初頃右日活劇場の開館当初より同三三年一二月中旬ころまで同劇場の事実上の支配人として、同劇場の業務一切を統轄処理していたものであるが、被告人三宅は同鳥井の業務に関し、当時鳥井興業部実質上の権力者であつた被告人鳥井の実姉小野金子および右興業部の総支配人格の岩知道増太らの指示により同人らと共謀し同劇場に入場した観客より徴収した入場料の一部を秘匿しこれに対する入場税を逋脱しようと企て別表記載のとおり昭和三二年一月より同三三年一一月までの間二三回にわたり、一部入場者に対しては所定の入場券を交付せず、或は一度交付した入場券の半片を切り取らず再使用して他の観客に交付するいわゆるたらい廻わしの方法をとつたうえ、これに該当する部分を所定の正規帳簿に減額して記載し、これを所定の申告を為すに際し控除して所轄倉敷税務署長宛申告し以て不正の方法により昭和三二年一月分より同三三年一一月分までの入場税合計金八三六、九九〇円を逋脱したものである。

(証拠の標目)(省略)

(法令の適用)

被告人鳥井徳治に対し

入場税法二八条、二五条(罰金刑)、昭和三七年法律第五〇号による一部改正の同法附則四項、同改正前の同法二九条。刑法一八条。

被告人三宅邦男に対し

入場税法二五条(懲役刑選択)刑法六〇条、二五条。

訴訟費用の負担につき(被告人両名)刑事訴訟法一八一条一項本文

よつて主文のとおり判決する。

別表(省略)

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